それは、保育園に通う息子が「頬が少し赤いね」と先生に言われた数日後のことでした。最初は日焼けか何かだろうと軽く考えていたのですが、数日後に私自身が経験した地獄のような日々は、今思い出しても背筋が凍る思いです。月曜日の朝、何となく体が重く、季節の変わり目の風邪かなと感じていましたが、夕方には状況が一変しました。突然、両手の手首と指の関節に、刺すような鋭い痛みが走り始めたのです。翌朝、目が覚めると自分の体が自分の物ではないような感覚に陥りました。指はパンパンに浮腫み、布団をめくることさえ激痛で一苦労。立ち上がろうとして足を床につけると、足首に電気が走るような痛みが走り、膝が笑って崩れ落ちそうになりました。熱は三十七度台の微熱でしたが、それよりもこの「関節を金槌で叩かれているような痛み」が耐え難いものでした。病院へ行こうにも車のハンドルを握る力すら入らず、家族に頼んで何とか受診しました。内科の先生は私の手足の皮膚をじっと見て、「これはりんご病ですね」と告げました。その時初めて、腕の裏側にうっすらと赤い網目のような模様が出ていることに気づきました。先生からは「大人のりんご病は関節痛が主役で、しかもかなり痛いですよ」と言われ、痛み止めを処方されました。そこからの三日間は、まさに自分との戦いでした。トイレに行くのも、着替えるのも、ペットボトルの蓋を開けるのも、すべてが苦行です。食事を摂ろうとしても箸を持つ手が震え、情けなさで涙がこぼれました。夜も関節の疼きで一分たりとも眠れず、暗い部屋で一人、ウイルスの猛威に耐え続けました。ようやく痛みが引き始めたのは一週間が過ぎた頃でしたが、完全に手の強張りが消えるまでにはそれから一ヶ月を要しました。驚いたのは、痛みが引いた後に訪れた「猛烈な痒み」です。お風呂に入って血行が良くなると、手足のレース状の発疹が真っ赤に浮き上がり、狂いそうなほどの痒みに襲われました。この体験を通して痛感したのは、子供にとっては何てことのない病気が、大人にとってはこれほどまでに破壊的なダメージを与えることがあるという事実です。世間では「りんご病」という可愛い名前で呼ばれていますが、私にとっては「全身関節破壊病」と呼びたいほどのインパクトでした。もし、身近な子供がりんご病になったなら、大人は絶対に油断してはいけません。自分は大丈夫だという過信が、取り返しのつかない一週間を招くことになります。今、同じ症状で苦しんでいる方がいたら、伝えたいことがあります。この痛みは必ず終わりが来ます。今は無理をせず、文明の利器と薬の力を借りて、体の中の戦いが終わるのを静かに待ってください。