家の中に蟻が大量発生した時、その出現場所には一定の傾向があります。それは、蟻が好む条件が特定の場所に集中しているからです。家の中をエリア別に見ていくと、なぜそこが蟻の楽園になってしまうのか、その原因がはっきりと見えてきます。最も危険度が高い場所、それは紛れもなく「キッチン」です。キッチンは、蟻にとっての餌と水が最も豊富に揃う、まさに五つ星レストランのような場所です。こぼれた砂糖や塩、小麦粉、油の飛び散り、調理中に出る野菜くず、そして三角コーナーの生ゴミまで、あらゆるものが蟻の餌となります。さらに、シンク周りは常に湿っており、蛇口から滴る水滴は格好の給水スポットです。冷蔵庫や電子レンジといった家電製品の裏は暖かく、隠れ家としても最適。これだけ条件が揃っていれば、蟻が大量発生するのも無理はありません。次に危険なのが、「リビング・ダイニング」です。ソファに座ってお菓子を食べる、テーブルでジュースを飲む。こうした日常の何気ない行為が、蟻を呼び寄せる原因となります。床に落ちたお菓子の小さなかけらや、カーペットに染み込んだジュースのわずかな糖分を、蟻の鋭い嗅覚は見逃しません。ペットを飼っている家庭では、ペットフードの食べこぼしや、水飲み場の周りも発生源となり得ます。意外な盲点となるのが「洗面所・浴室」などの水回りです。ここには食べ物はないと思いがちですが、蟻は石鹸カスに含まれる脂肪分や、落ちている髪の毛、皮脂汚れなども餌にすることがあります。そして何より、常に湿気が多く、水が豊富にあるため、蟻にとって非常に魅力的な環境なのです。最後に、「窓際や壁際」も要注意です。これらは屋外からの主要な侵入経路であると同時に、冬場に発生する結露が蟻の貴重な水源になることがあります。壁のひび割れなどが巣になっているケースも少なくありません。このように、場所ごとに蟻が大量発生する原因は異なります。それぞれの場所の特性を理解し、ピンポイントで清掃や対策を行うことが、蟻のいない快適な家を取り戻すための鍵となるのです。