うつ病かもしれないと感じた時、精神科や心療内科といった医療機関を受診するのが基本ですが、様々な理由から、すぐに病院へ行くことに抵抗を感じる方もいるでしょう。しかし、一人で悩みを抱え込む必要はありません。医療機関以外にも、あなたの心の悩みに耳を傾け、サポートしてくれる様々な相談窓口が存在します。まずは、そうした身近な窓口にアクセスしてみることから始めてみるのも、一つの大切なステップです。お住まいの地域には、必ず「保健所」や「精神保健福祉センター」といった、公的な相談機関があります。ここでは、保健師や精神保健福祉士といった専門のスタッフが、無料で心の健康に関する相談に応じてくれます。本人だけでなく、家族からの相談も受け付けており、必要であれば、地域の医療機関や支援サービスについての情報提供も行ってくれます。秘密は厳守されるので、安心して相談することができます。また、職場のストレスが原因である場合は、「会社の産業医やカウンセラー」に相談するという選択肢もあります。産業医は、従業員の心身の健康を守るための専門家であり、職場環境の調整などについても、会社側と連携して対応してくれることがあります。もちろん、相談内容のプライバシーは守られます。さらに、電話で気軽に相談できる窓口も数多く存在します。厚生労働省が支援する「こころの健康相談統一ダイヤル」や、NPO法人が運営する「いのちの電話」などは、匿名で、誰にも知られることなく、自分の気持ちを吐き出すことができる、大切なセーフティネットです。専門の相談員が、あなたの話にじっくりと耳を傾けてくれます。これらの相談窓口は、直接的な治療を行う場所ではありません。しかし、専門家と話すことで、自分の気持ちが整理されたり、客観的なアドバイスをもらえたり、あるいは、医療機関を受診する勇気が湧いてきたりと、次の一歩を踏み出すための大きなきっかけとなり得ます。一人で暗闇の中にいると感じた時、そこには必ず、あなたに手を差し伸べてくれる場所があるということを、どうか忘れないでください。
うつ病を相談できる様々な窓口