一度治ったと思っても、またすぐにできてしまう、やっかいなものもらい。なぜ、自分はこんなに繰り返してしまうのだろうと、悩んでいる方もいるかもしれません。ものもらい(麦粒腫)の再発を防ぐためには、その原因である「細菌感染」が起こりやすい環境を作らないように、日々の生活習慣を見直すことが非常に重要です。まず、最も基本的で大切なのが、「手で目を触らない、こすらない」という習慣を徹底することです。私たちの手には、目に見えない無数の細菌が付着しています。無意識に目をこする癖は、自ら細菌をまぶたに運び込んでいるのと同じことです。かゆみなどを感じても、手で直接触れるのは避け、清潔なティッシュやハンカチを使う、あるいは冷たいタオルで冷やすなどの工夫をしましょう。そして、外出から帰った後や、目に触れる前には、必ず石鹸で手を洗うことを習慣づけましょう。次に、「目の周りを清潔に保つ」ことも、予防の大きな柱です。特に女性の場合、アイメイクが原因となることが少なくありません。まつ毛の生え際ギリギリまで引いたアイラインや、ウォータープルーフのマスカラなどは、マイボーム腺の出口を塞ぎ、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。メイクは楽しむべきですが、一日の終わりには、専用のリムーバーなどを使って、化粧残りがないように、丁寧に、しかし優しく洗い流すことが大切です。また、ものもらいの背景には、「体の抵抗力の低下」が隠れていることが多々あります。仕事が忙しくて睡眠不足が続いていたり、精神的なストレスが溜まっていたり、あるいは不規則な食生活で栄養が偏っていたりすると、体の免疫力が低下し、普段なら抑え込めるはずの細菌にも感染しやすくなってしまいます。十分な睡眠と休息をとり、ストレスを上手に発散させ、バランスの取れた食事を心がけること。こうした全身の健康管理が、結果的にものもらいの予防にも繋がるのです。さらに、一歩進んだケアとして、「リッドハイジーン(まぶたの衛生)」を取り入れるのも効果的です。蒸しタオルでまぶたを温めて、マイボーム腺に詰まった脂を溶かし、その後、ベビーシャンプーなどを薄めて、目のキワを優しく洗うという方法です。これを習慣にすることで、腺の詰まりを防ぎ、清潔な状態を保つことができます。これらの地道な予防策を日常的に続けることが、ものもらいの再発の連鎖を断ち切るための、最も確実な方法です。
ものもらいを繰り返さないための予防法