RSウイルスに感染し、喉に激しい痛みが現れた時、誰もが「このつらい痛みは、一体いつまで続くのだろう」と、先の見えない不安に駆られることでしょう。仕事や日常生活への影響も大きいため、症状の経過を知っておくことは、精神的な安心に繋がります。大人がRSウイルスに感染した場合、ウイルスに接触してから症状が出始めるまでの潜伏期間は、おおよそ2〜8日(平均4〜6日)とされています。その後、鼻水や咳といった症状と共に、喉の痛みが現れます。この喉の痛みは、発症してから2〜4日目あたりにピークを迎えることが一般的です。この時期が、唾を飲み込むのもつらい、最も苦しい期間となります。この痛みのピークを乗り越えると、喉の炎症は徐々に治まり、痛みも少しずつ和らいでいきます。しかし、完全に痛みがなくなるまでには、個人差はありますが、おおよそ7〜10日程度かかることが多いようです。風邪の喉の痛みが数日で軽快するのに比べると、比較的長く続く傾向があります。そして、喉の痛みが治まった後も、咳だけがしつこく残ることが、大人のRSウイルス感染症のもう一つの厄介な特徴です。ウイルスによって気道の粘膜がダメージを受け、過敏な状態(気道過敏性)になってしまうため、少しの刺激で咳が出やすくなります。この咳は、2〜4週間、あるいはそれ以上続くこともあり、根気よく付き合っていく必要があります。症状の経過には個人差があり、基礎疾患の有無や、その時の体調によっても左右されます。例えば、喘息の持病がある方は、咳が長引いたり、発作が誘発されたりするリスクが高まります。大切なのは、焦らず、無理をしないことです。症状のピーク時には、できるだけ仕事を休み、十分な休息と栄養、水分補給を心がけましょう。処方された薬をきちんと服用し、加湿やうがいといったセルフケアを続けることが、回復を早めるための最も確実な方法です。つらい症状には必ず終わりが来ます。そのことを念頭に置き、自分の体をいたわりながら、回復の時を待ちましょう。